お知らせ

2019年04月17日

日本医学会総会2019 NOSSセミナーのご報告



去る3月31日に、「日本医学会総会2019中部」
市民展示「健康未来EXPO2019」にて、
NOSSセミナー「日舞と科学の"おどりの運動"NOSSを使って生涯運動
~楽しく健康に過ごすために」が行われました。

【冒頭で挨拶をする、西川右近理事長】

日本医学会総会は、4年に一度開催される、
日本の医学界の最高権威であり、「医のオリンピック」と称されます。

名古屋での開催は実に24年ぶりで、
長年にわたり名古屋の医学界を牽引してこられた
青木國雄・名古屋大学名誉教授(当協会参与・愛知県がんセンター名誉総長)の
尽力あって、このような栄えある舞台でのNOSSセミナーが実現致しました。

健康未来EXPOは、日本医学会総会市民展示として、
子どもから大人まで楽しめる「医のテーマパーク」がコンセプト。
【注目のセミナー】として告知いただいたNOSSセミナーには、
幅広い世代の方々が多数来場され、遠近から参集いただいた
インストラクターの方々も加わって、会場は大変な賑わいに包まれました。

セミナーは、西川右近理事長のほか、多彩なゲストの先生方に登壇いただき、
NOSSが医学界から熱い視線を注がれていることを
まさに象徴するステージとなりました。


【お着物姿でのNOSS模範演舞】

お着物に身を包まれた日本舞踊家の皆さまによる、
冒頭のNOSS模範演舞に続き、まずご登壇いただきましたのは、
名駅東クリニック院長で、日本舞踊西川流名取でもある山本祐歌先生。

糖尿病・内分泌 内科である山本先生には、
「知っておきたい糖尿病の話 NOSSを使って糖尿病予防」と題しまして、
運動の大切さを説いていただきました。

【山本佑歌先生】

糖尿病になると神経・眼・腎臓から、心臓・脳疾患といった
合併症を引き起こし、予備軍は実に2,000万人と言われています。

その予防・治療のためには、運動を「続ける」ことが大切。
国立長寿医療研究センターでは、糖尿病の患者さんを
対象にしたNOSS体験が実施されていますが、
参加者のほぼ全員が「続けたい」と回答。

楽しい"おどりの運動"だからこそ、続けられるNOSSは、
糖尿病対策の観点からも、ますます注目を浴びていくことが期待されます。

山本先生のお話の後、NOSSの開発過程における、
湯浅景元・中京大学名誉教授との共同研究の様子がスクリーンに映し出され、
それに続いて森本茂人・金沢医科大学 高齢医学教授/金沢医科大学病院
認知症センター長(当協会理事)が登壇。

【森本茂人理事】

森本先生は、厚生労働省「未来志向研究プロジェクト」にて
NOSSの抑うつ効果や意欲改善効果を医学的に解明した
論文を発表され、日本未病システム学会学術総会において
研究奨励賞を受賞。2016年には日本老年医学会学術集会
会長としてもNOSSを発信されました。

今回は、「伸ばせ健康寿命~フレイル・サルコペニア予防」と
題し、フレイル(高齢者が筋力や活動が低下している状態(虚弱))、
サルコペニア(加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下)、
そして軽度認知障害から要介護に転じることを以下に予防し、
健康寿命を伸ばしていくか、をテーマに講演いただきました。

要支援・要介護に転落するリスクが高いのは、
健康活動への無関心な層。そして、趣味娯楽をもたない層。

踊ること自体を楽しみとできるNOSSは、
まさに趣味娯楽の要素を備えるものであり、
同時に、身体を動かすことを通じて健康への
意識を高めてくれます。

フレイル予防における、NOSS有効性を
あらためて裏付けるお話でした。

セミナーも中盤に差し掛かり、
ここで日本舞踊西川流四世家元の、西川千雅理事が登場。

前半の講義で、NOSSの概要と効用が理解できたところで、
いよいよNOSSを体感!

壇上の先生方も会場と一体となって、皆でNOSSを踊りました。
多くのインストラクターの方々に、Tシャツ姿でご参加
いただけましたおかげで、来場の皆さまもお手本を身近に
ご覧いただきながら上手に踊りこなしてくださっていました。

【みんなでNOSS】

【西川千雅理事、指導部西川陽子先生も登壇】

優雅なNOSSの舞いを通じて、
同じ姿勢で座っていた体も自然とほぐれ、
会場に笑みがこぼれます。

後半は、国立長寿医療研究センター
健康長寿支援ロボットセンター長である
近藤和泉・特命副院長(当協会参与)が、
ソフトバンク社のロボットPepper(ペッパー)君と
一緒に登壇。

【近藤和泉参与とPepper君】

【Pepper君によるNOSSレクリエーション】

「もの忘れ予防のためのNOSS」と題し、
75歳以上の要介護の原因のトップである
認知症の発症と進行のメカニズムを
解き明かしながら、『楽しく』脳を刺激して
活動させることが発症遅延化と進行予防に
役立つことを解説。

NOSSのような『楽しめるActivity』のスキルの
向上を通じて、脳機能の維持につなげることを
提唱いただきました。

また、ロボットPepper上でNOSSを使って実施された
『NOSSを使ったロボットActivity効果検証』の
結果を発表。

Pepper君によるNOSSレクリエーションは、
参加者の表情、自主性を優位に改善させ、
『楽しめるActivity』であるNOSSが脳によい影響を
及ぼすことを伺わせるとともに、
看護・介護職の負担感軽減にも繋がっており、
来たるロボット社会への可能性と期待を感じさせてくれました。

そして、この効果検証において活用されたのが「健康王国」
著名な通信カラオケブランド「JOYSOUND」を展開する
株式会社エクシングが、
補完代替医療の補助ツールとして開発した
音楽療養コンテンツで、NOSSはもちろんのこと、
体操・クイズ・懐かしと癒しの映像など、
健康維持とQOL向上に取り組めるコンテンツが揃っています。

【「健康王国」コンテンツ】

「健康王国」は、施設向けトータルヘルスケア支援機器
「JOYSOUND FESTA2」に搭載されており、既に全国各地で
稼働しています。

最後は、Pepper君のレッスンでNOSSを皆で踊り、
近藤先生の効果検証を実体験!
おどりの楽しさが、身体に、脳に、心に効く、
まさに「生涯運動」であることを、
再び会場が一体となって、全身で感じることが出来ました。

【Pepper君とNOSS】

結びでは、日本舞踊が体現する日本の伝統美こそが、
人間の本能的な活力を呼び起こした事例が紹介され、
数あるNOSSセミナーでももっとも多彩な90分間は、
幕を閉じました。

【締めの挨拶をする、右近理事長】

日本医師会総会という枠組みの中で
このようなセミナーを開催出来たことは、
NOSSが健康寿命延伸に寄与するものとして
医学界からも大きな期待をお寄せいただいていること、
まさに社会的使命を感じる、健康未来EXPOでした。

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今回の機会実現にご尽力いただきました青木國雄参与の
功績を讃え、今後ともより大所高所からNOSS普及・発展への
ご知見を賜ってまいりたく、4月1日付けで当協会の
顧問に就任いただきました。

ここに感謝と共にご報告をさせて頂きます。   


2019年4月17日
日本舞踊スポーツ科学協会 事務局

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